コース情報

科目名称	関数解析
科目名称（英語）	Functional Analysis
授業名称	関数解析
教員名	柳田　昌宏
開講年度学期	2014年度 前期～後期
曜日時限	前期（火曜2限）、後期（火曜2限）
開講学科	理学部第一部　数理情報科学科

単位	4.0	学年	３年
科目区分	専門	履修形態	選択

授業の概要・目的・到達目標	[概要] １・２年次に学んだ微積分・線形代数を基礎として、関数解析学の初歩を学ぶ。関数解析学の基本的な事項を修得し、幾つかの応用例を通してその有用性を理解する。 [目的] 応用数理科学の探求に必要な数学を、１・２年次の基礎の下にさらに習得する。 [到達目標] 関数解析の基礎的な諸概念を理解し、諸定理を証明できるようになる。また、それら応用できるようになる。
履修上の注意	「解析学１及び演習」と「数理科学基礎３」（共に２年）の単位を修得していることが望ましい。
準備学習・復習	前回の授業範囲を教科書・ノート等を用いて復習することにより、理解が不十分な箇所が無いようにする（2時間程度）。次回の授業範囲を教科書を用いて予習することにより、必要な予備知識に不足が無いようにする（2時間程度）。
成績評価方法	試験（50％）と小テスト（50％）に平常点を加味して評価する。小テストは11回目と21回目に実施し、それぞれ1〜10回目までの内容の確認、11〜20回目までの内容の確認を行う。ただし出席状況が著しく悪い者は評価対象外とすることがある。
教科書	山田功「工学のための関数解析（工学のための数学）」数理工学社
参考書	古田孝之「線形作用素への誘い　行列からヒルベルト空間上の有界線形作用素へ」培風館、宮島静雄「関数解析」横浜図書、他多数

授業計画

1. 導入 本講義で扱う内容の概要について理解する。 2. 距離空間 距離の定義を学び、その性質を理解する。また距離空間の幾つかの例を学ぶ。 3. 完備性 完備性の定義を学ぶ。また完備距離空間の幾つかの例を学ぶ。 4. 開集合と閉集合 開集合・閉集合の定義を学び、その性質を理解する。また関連する諸概念を理解する。 5. 写像の連続性 連続写像の定義を学び、その性質を理解する。 6. 縮小写像と不動点定理 縮小写像に関する不動点定理とその応用を理解する。 7. ノルム空間 ノルムの定義を学び、その性質を理解する。また関連する諸概念を理解する。 8. 閉部分空間 閉部分空間の性質を理解する。また関連する諸定理を理解する。 9. 内積空間（１） 内積の定義を学び、その性質を理解する。また関連する諸概念を理解する。 10. 内積空間（２） 内積に関連する諸定理を理解する。 11. 有界線形作用素（１） 有界線形作用素の性質を理解する。また関連する諸概念を理解する。 12. 有界線形作用素（２） 有界線形作用素に関連する諸定理を理解する。 13. 行列とベクトルのノルム 行列のノルムの幾つかの例を学び、それらの性質を理解する。 14. バナッハ空間とヒルベルト空間 バナッハ空間とヒルベルト空間の幾つかの例を学ぶ。また関連する諸概念を理解する。 15. 修得度の確認と解説（１） 前期に学んだ内容に関する修得度の確認と解説を行う。 16. ベールの定理、一様有界性定理、バナッハ・シュタインハウスの定理 表題にある諸定理について、その意義と証明を理解する。 17. 開写像定理、閉グラフ定理 表題にある諸定理について、その意義と証明を理解する。 18. バナッハ空間とヒルベルト空間の基底 ヒルベルト空間の正規直交系の性質を理解する。 19. 可分ヒルベルト空間 可分ヒルベルト空間の完全正規直交系の性質を理解する。また幾つかの例を学ぶ。 20. ヒルベルト空間における収束概念 ヒルベルト空間における種々の収束概念を学び、それらの性質を理解する。 21. 射影と直交分解 凸射影と直交射影の定義を学び、それらの性質を理解する。 22. 射影作用素 直交射影に関連する諸定理を理解する。 23. 共役空間（１） ヒルベルト空間の共役空間について理解する。 24. 共役空間（２） 内積空間の共役空間について理解する。 25. 共役作用素 共役作用素の性質を理解する。また関連する諸定理を理解する。 26. 一般化極化等式と作用素のクラス 一般化極化等式を学び、作用素の諸クラスの特徴付けを理解する。 27. 作用素のスペクトル（１） スペクトルの定義を学び、その性質を理解する。また関連する諸概念を理解する。 28. 作用素のスペクトル（２） スペクトルに関連する諸定理を理解する。 29. 正値作用素 正値作用素の性質を理解する。また関連する諸定理を理解する。 30. 修得度の確認と解説（２） 後期に学んだ内容に関する修得度の確認と解説を行う。

備考

9914364